忍の凛(しのびのりん)

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【 忍 】

雲ひとつない太陽の下、ナナホシのテントウ虫が一匹、風に乗って飛んできた。

こじんまりと積み上げられた小柄な石の上で小さく羽を閉じると、
そこから見下ろせる城下町をじっくり眺めているかのようにピタリと動かなくなった。

ひと気のない高台に積まれたその石が、かつて全ての忍者集団の頂点に君臨していた伝説の忍の墓であるとは
誰一人知る由もなかった、ある一人の”くの一”を除いては……。

彼の死から数年、もともと考え方や生き方が違っていた彼らが散り散りになるのには十分な時間だった。
腕の立つ忍の集団を再び結集させるため、その人物が覚悟を伝えに墓参りに訪れたのが数刻前。

束ねるということは、自分の命(めい)を相手に聞かせるということ。
それはすなわち、その相手の命(いのち)を預かるということ。

ならば、力を示さなければならない。
それに値する忍でなければならない。

阿る者は機械を身に着け、阿る者は自身の髪を操り、また阿る者は音もなく敵を屠(ほふ)る……。

様々な術と流派、手強い彼らを認めさせ一つにまとめる彼女の戦いは、いま始まったばかりである。

とまっていたナナホシテントウが、石のつまさきへと進み出した。
小さな羽を広げると、まるでその決意を伝えに行くかのように、青い大空へと飛び立っていった。